毎月かかってくる固定費として、大きくお財布を圧迫するのはやはり家賃ですよね。
住んでいる以上支払い続けないといけませんが、滞納したらどうなるのかイマイチピンときていない方は、数か月もの間家賃の支払いが滞り、結果として最悪の事態に…というケースもあります。
「家賃を払わずに滞納しているとどうなる?」
「どうしても払えないときはどうすればいい?」
など、ここでは家賃支払いに関する疑問や、滞納してしまったときに起こり得る事態、そうならないための対応策などをご紹介していきます。
家賃の全国的な相場は4~6万円前後となっています。
家賃を滞納してしまった場合、すみやかに大家さんや管理会社への連絡、相談が必要です。
滞納したまま数か月(1~3ヶ月以上)放置すると、内容証明郵便で「契約解除予告通知書」が送付されます。
それを無視した場合、「明け渡し訴訟」を起こされ敗訴、それでも立ち退かない場合には強制執行などの法的措置が執られることになります。
すでに滞納してしまっている場合には、1か月分でもいいので家賃を用意し、管理者側と誠意をもって話し合う場を設ける必要があります。
そもそも家賃って、どれくらい?家賃の地域別相場を比較
まずはじめに、各地域の家賃の相場を少し見てみましょう。
各地域ごとに最安値と最高値を表にまとめてみます。(2017年3月現在、ホームズ調べ)
地域名 | 最安値 | 最高値 |
東京都 | 4.62万円(あきる野市) | 12.16万円(港区) |
大阪府 | 3.45万円(河内長野市) | 6.83万円(大阪市西区) |
神奈川県 | 3.53万円(綾瀬市) | 7.56万円(横浜市都筑区) |
愛知県 | 3.46万円(瀬戸市) | 6.40万円(名古屋市東区) |
福岡県 | 3.17万円(太宰府市) | 5.01万円(福岡市中央区) |
北海道 | 3.06万円(江別市) | 4.38万円(室蘭市) |
岡山県 | 3.47万円(津山市) | 4.70万円(玉野市) |
やはり一番高いのは東京都港区、最安値と比べるとなんと8万円近く高くなっています。
平均相場が10万円以上になっているのは全国的に見ても東京都港区・千代田区・中央区・渋谷区となっています。
また、その他の地域での相場はおおむね4~6万円前後となっています。
家賃は月収の1/3程度って本当?
「家賃は月収の1/3」と言われてから早数十年、現在の平均月収から見ると、「1/3でも高い」と考える人が多くなっています。
毎月のスマホ代などはもちろん、ネット回線の契約料など、昔にはなかった出費項目も多数増えています。
そんななかで毎月必ず支払わなければならない6万円というのは、かなり大きな出費と言えるでしょう。
家賃が払えないとどうなる?時系列で解説します
では、家賃が支払えずにどんどん滞納してしまった場合、どのような事態に陥るのか段階別に見ていきましょう。
本来の支払日から数日後|口頭か、簡易な書面で催促
家賃の支払日までに支払われていない場合には、住まいの管理会社や大家から「今月の家賃が未払いである」という旨の連絡があります。
主に電話か対面しての連絡、どちらもできなかった場合には文書で通知されることになります。
この連絡に関しては、一人暮らしをしたことがあるなら多くの方が経験し得ることですよね。
家賃の催促に関しては「いつからしていい、しなければならない」という法律的なルールはありませんので、住んでいる場所によって対応はマチマチです。
また返答をしないままでいると訪問催促が行われる・催促状が送付されるなど、管理者側も手順を踏んで家賃を支払うよう働きかけます。
滞納して1か月~3か月後後|内容証明の送付
家賃を滞納してから数か月経つと、「契約解除予告通知書」が内容証明郵便で送付されることとなります。
管理者側が内容証明郵便でこのような通知書を送付する、ということは、「追々裁判をするにあたり、あなたが長期間家賃を支払っていないことの証拠として、この書類を使いますよ」という予告でもあります。
つまり「この借り主は今後家賃を支払う見込みがない」と判断され、部屋を明け渡すための訴訟の前準備に入っている、という段階です。
滞納して3か月~4か月以上|明け渡し訴訟に発展
契約解除予告通知書が送付され、なおも家賃を支払わなかった場合には、「明け渡し請求訴訟」がはじまります。
度重なる催促をしたことや、滞納した期間、契約解除を予告したにも関わらず家賃が未だ支払われていない状況などは、すべて内容証明郵便によって証拠として残っています。
よって、明け渡し請求裁判が行われたらまず勝つことはできません。
また敗訴が決まったあとも立ち退かない場合には強制執行が執り行われ、将来にわたる給与の差し押さえや、家財などの財産の換金などが行われることになります。
裁判に敗訴し、立ち退きを迫られるまでは滞納してからおよそ6か月程度となっています。
この間の家賃も滞納している場合、およそ36万円もの家賃が未払いの状態となる、ということになってしまいますね・・・。
家賃を滞納する前にできること
では、家賃を滞納してしまうその前にできることはないでしょうか。
まずは何よりも相談すること。無断滞納は最悪
今月の家賃の支払いが厳しい、と判断した段階で、まずは大家さんや管理会社側に自分から連絡し、相談するようにしましょう。
その話し合いのなかで、
- 分割で支払うことはできないか
- 支払日をずらしてもらうことはできないか
など、どうしても支払えない理由を添えて、誠意をもって交渉することが大切です。
管理者側も、最終的に法的措置を取るとなれば、コストや時間がかかってくることになります。
できるならそのような事態は避けたいですし、支払ってくれるに越したことはないのです。
すでに滞納してしまっている場合であっても、まずは連絡を取り、事情を話してから「支払う意思がある」ということを明確に伝えることが重要です。
管理者側との信頼関係が大切
失職してしまったりなど、今後の支払いの目処が立たない場合であっても、まずは管理者側と相談してください。
賃貸借契約が成立すると、賃借人は当然家賃を支払わなければなりません。
この家賃が支払われない場合、賃貸人は債務不履行を理由にこの契約を解除することができます。(民法541条)
しかし、この契約解除にあたっては当事者同士の信頼関係を破壊する重大な背信行為がある場合に限られています。(信頼関係破壊の法理)
つまり、「管理者側との信頼関係が破壊されるような行為がない限り、突然契約を解除して立ち退きを迫ることはできない」ということになっているのです。
ですので、どんなに先々の支払いができるかどうかわからない場合であっても、まずは大家や管理会社としっかり話すことが必要です。
すでに滞納して暫く経っている場合は?
もう家賃を払わないまま、連絡もできずにしばらく放置してしまっている…そんな場合は、1か月分でもいいのでお金を準備して、すぐに管理者側と話し合いの場を設けてください。
お金を準備するにあたっては、カードローンなどで借り入れたり、もしくは親や友人などに助力してもらうなどの方法を検討してください。
お金を借り入れることに抵抗がある方でも、いま住んでいる場所を失ったり、大切な財産を差し押さえられたりするよりはずっとマシな未来があるかもしれません。
もう随分連絡を取っていなくて、話し出しにくい…という場合でも、率先して自ら行動することが信頼回復の一歩となります。
まとめ:立ち退きを迫られる前に、まずは一言から
住んでいる場所を失ってしまう、というのは本当に恐ろしい事態です。
誰にも相談できず、誰にも頼ることができない一人暮らしでは、一度家賃の支払いが滞ってしまったらそのまま溜め込んでしまうという傾向が強くあります。
大家さんや管理会社にもよりますが、まずは一言相談すること、連絡してどうしたらいいのか問うことが、信頼関係を築くうえでも最も重要なポイントです。